From: "Tom Caradoc-Davies" <toms_postingacct@hotmail.com> To:

ccp4bb@dl.ac.uk Subject: [ccp4bb]: Oil and cryoprotectant protocol.

Date: Fri, 07 Feb 2003 01:58:34 +0000

オイル/クライオプロテクタント プロトコール

 

試薬について

オイル:AJAX Chemicalsのバルクのパラフィン(LABCHEMブランド)を用いる。母液にイソプロパノールなどの有機溶媒を用いる場合は、予めオイルと母液とを混合、撹拌することで平衡化しておくこと。

クライオ溶液:普段使いのものでOK。ちなみに筆者のラボでは30%グリセロールを含む母液を用いている。

クライオループ:普段使いのものでOKHamptonのなど)。ただし、普段結晶を拾うものよりも一回り大き目を使う。これは結晶を拾う際に、ループ内にオイルの層が形成されるようにするためである。

 

手順

1.結晶を拾う

(オイルの中から拾う場合)

A Sitting dropの場合:40-50μlのオイルを結晶が得られたドロップに重層する。ドロップがmicro-bridgeの下に移動したら(移動しない場合は、猫の毛などを使って動かしてあげる)、ドロップの上面から23mm上までオイルが重層されていることを確認する。これよりオイルの層が薄いと乾燥してしまうので注意。例えば、2-6μlのドロップに対して40μl程度のオイルを重層することで、micro-bridge使用時には問題が無かった。

 

B オイルを用いたBatch法の場合:micro-bridgeのウェルに40μlのオイルを加えておく。次に結晶が析出しているドロップを、ピペットで結晶ごと吸い取り(オイルも吸い取る、後述)、micro-bridgeの油層表面直下に注ぐ。この時結晶を見失わないように、チップの先端から、オイル、ドロップ、オイル(オイルは少量)となるように吸い取る。添加したオイルがmicro-bridgeのオイルと混ざらない場合は、針などでつついてやることで混ぜる。

 

C ハンギングドロップの場合:結晶を含むドロップが乗ったカバーガラスを、プラスチック製の箱の中に置き、ドロップの表面から2-3mmくらいになるようにオイルを添加する。

また、Martyn Symmonsの方法では、cryo-vialを輪切りにして、それをドロップが乗ったカバーグラスに乗せる。カバーグラスの隙間はグリースによりシールされるので、ピペットを用いてオイルを重層する。

 

クライオ溶液への結晶の移動

新しいmicro-bridgeに、6μlのクライオ溶液と40μlのオイルを加えておく。オイル表面にクライオ溶液が上がってきている場合には、針などで落としておく。次に上記のように調製したドロップから結晶を拾って、クライオ溶液中に移す。大きな結晶や問題がある結晶の場合は、結晶のふちが顕微鏡の視野にあるようにループを使う。

 

冷却方法

オイルを重層したクライオ溶液からループで結晶を通常通り拾う。(もし顕微鏡で見ると、オイルがループの中に薄い層を作っているのが見えるらしい。)この時拾った結晶は、ごく少量のクライオ溶液を挟み込んだオイルの層によってループ内に保たれているため、クライオストリームに当てるまで10分くらいは乾燥に耐えることができる。

 

オイル法を利用すると・・・

.ループ内で長時間(10分)乾燥から守られる。

.結晶の周りの溶液がごく少量になっているので、X線回折のバックグラウンドを減らすことができる。

 

オイルを使って結晶を保護する方法は広く使われてきたが、この方法のミソはクライオプロテクタントと組み合わせたことである。

 

クライオバイアルを用いたオイルの重層法は、Marty Symmonsからアドバイスをもらった。Kris Teshからはすばらしいテクニック満載のスライドショーを提供してもらい、また、Stephan GinellHenry BellamyHarry PowellSteve ErnstPeter Moody、および他の皆様方のアドバイスやコメントに感謝する。

 

Tom

 

訳:河野 慎(2010/07/26