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Refinement

さて,準備が整ったら精密化を実行する.

  1. ccp4i の Refinement メニューから Run Refmac5 を選択.
  2. Do restrained refinement using no phase information input とし,必要なら Generate weighted difference maps in CCP4 format とする.
  3. MTZ in, PDB in (必要なら PDB out も), Library にファイルを設定する.
  4. Monitering は始めのうちは Output many monitering statisticsとしておく.
  5. Required Parameters Exclude data with freeR labeld FreeR_flag with value of 0 を確認しておく. 私のテストランの時に,なぜか FreeR_flagのところが Unassignedしか選択出来ず, FreeR_flag をアサイン出来なかった.この場合, MTZ inの所の FP で List all Labels として FreeR_flag を選択してやると, ここでも選択出来るようになる.
  6. Run, Run Now.

ccp4i が標準で使用するスクリプトは,X線データに対 するウェイトが 0.5 になっており,低分解能のデータの場合少し高すぎるかも 知れない.精密化後の構造が歪む場合, Required Parameters Diagonal weighting term 0.5 を例えば 0.l とかにする.

とりあえず,精密化がうまく行っているかどうかを View Files from Job, ViewLog Graphs で確認してみる.Rfactor analysis, stats vs cycle の例を図2に示す.

図 2: 精密化サイクルと R 因子の変化
\resizebox{100mm}{!}{\includegraphics{R-plot.eps}}

その他にも,FOM vs cycle,Geometry vs cycle や Rfactor analysis, F distribution v resln をチェックする.

ある程度精密化が進んだら,XtalView 等でフーリエマップを描いて構造をチェッ クする. Generate weighted difference maps in CCP4 format をチェッ クしておけば以下の 2種類のマップを作成してくれる.

である.ccp4i でこの2種類のマップを読み込むには,図 3のようにする.

図 3: ccp4i で XtalView を起動する
\resizebox {100mm}{!}{\includegraphics{ccp4i-xtalview.eps}}

例えば,側鎖に 2つのコンフォーマが在るような場合,図 4のように ***DELFWT.map を見れば分る. 図は Thr67 付近の電子密度図とモデル.モデルの側鎖と違う方向に DELFWT map のピークが存在する.

図 4: Thr67残基付近の電子密度図.(青が FWT map, 黄色が DELFWT map)
\resizebox {80mm}{!}{\includegraphics{Thr67-xtalview.eps}}

なお,XtalView の使い方は SolveResolve のマニュアルに書いたので,そ ちらを参照して下さい. http://castor.sci.hokudai.ac.jp/~watanabe/Manuals/solve-resolve/index.html

自分で別途マップを描きたい場合は refmac5 の出力する ****_refmac*.mtz を使えば良い.
H K L FNAT SIGFNAT FreeR_flag FC PHIC FWT PHWT DELFWT PHDELWT FOM

FC,PHIC:最終構造からの構造因子と位相
FWT, PHWT:'best' structure factors and phases weighted by the maximum likelihood function
DELFWT, PHDELWT:the 'best' structure factors and phases for a difference map
FOM:PHIC の figure of merit
である.

さらに,ARP/wARP で,水を拾うことも自動で実行することが出来る.その場合 は Cycle with ARPwARP to analyse only water atomsとして ARPwARP Parameters の所で Find 50 new atoms in density...とかに する.sigma の閾値は空欄として自動設定させれば良い.


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Nobuhisa Watanabe
平成13年10月24日